【アファンタジアとは?】頭の中にリンゴが思い浮かばない新しい概念

アファンタジアってなに

突然ですが、まず頭の中でリンゴをイメージしてみてください。



頭にリンゴは浮かびましたか?

人によっては赤色のリンゴ、または青リンゴだったり、切り分けられたリンゴが浮かんだ人など様々だと思います。

しかし、このリンゴをイメージできない人がいるのです。

頭の中でイメージすることができない、想像をすることが難しいといった特性を「アファンタジア」といいます。

今回はこのアファンタジアについてお伝えします。

目次

アファンタジアの特性

視覚でのイメージが思い浮かばない、浮かびにくい

アファンタジアはイメージすることができない、想像することが苦手という個人の特性です。

病気や障害ではありません。

2015年にイギリスで提唱された新しい概念で、多くの人はまだなじみのない特性です。

冒頭でリンゴをイメージするという例を書きましたが、アファンタジアの人は頭の中にリンゴの映像が浮かびません。


しかし、リンゴがわからないのではなく、文字情報や概念としてのリンゴの特徴(丸い、赤い、甘いなど)は理解して記憶しています。

頭の中にりんごをイメージしている人と、リンゴの情報を思い浮かべている人

視覚以外の感覚を再現できないことも

リンゴを思い浮かべるという視覚でのイメージができないことの他に、音やにおい、触感などを頭の中で思い浮かべることが苦手な人もいます。


・多感覚アファンタジア=全ての感覚イメージが浮かばない
視覚アファンタジア=視覚イメージが特異的に浮かばない

といった特性のタイプがあります。

このように頭の中での再現ができない、苦手な人がアファンタジアに該当すると言われています。

人口の約1〜4%程度がアファンタジアに該当とも

研究結果によると、人口の約1~4%がアファンタジアだとも言われています。

そして若年層で少し高い割合を示しています。

しかし多くの人が、自分がアファンタジアであることに気づかず生活をしていると言われています。

それはなぜでしょうか?

アファンタジアが自覚しにくいわけ

アファンタジアであることに気づかないのは、以下のような理由があげられます。

・「頭に浮かぶ」「想像する」ということが比喩(たとえ)だと思っている

Aさんがリンゴを頭に思い浮かべて、「頭の中にリンゴが見える」と言ったとします。

それを聞いたアファンタジアの人は、今、Aさんの頭の中では赤いリンゴの姿、形がイメージされているということがわかりません。

Aさんの言う「頭の中にリンゴが見える」は、情報としてのリンゴ(赤い果物、甘い味、硬い)を思い出しているのだと解釈してしまいます。

・概念や言語、情報で代わりができている

 Aさんのように赤いリンゴの姿をイメージすることができなくても、リンゴの情報、概念、特徴は理解し記憶しているので、普段の生活を送るうえで支障を感じにくいからと言われています。

情報でカバーできてしまうということです。

・外見や基本機能には問題がない

アファンタジアは脳の病気や、障害ではありません。

単なる情報の処理の仕方の違いであり、多様な認知スタイルの一種 と捉えられています。

外見にも問題がみられることがないため、検査などをしない限り気づく機会がありません。

人に虫眼鏡をあてて検査する人

アファンタジアの辛さ

アファンタジアはまだ新しい概念であり、まだまだ知られていない特性です。

ゆえに、周りの理解を得ることは難しく、辛い思いをされた人もいます。

図工の授業で困惑

Bさんの例です。

学校の図工の時間、「〇〇を思い出して描いてみましょう」という授業です。
周りがどんどん手を進める中、Bさんは何をどう描けばいいのかわかりません。

思い出そうとしても、頭のスクリーンは真っ暗なのです。Bさんにとっては、頭にそのものの姿が浮かぶ、ということがないのです。

しかし、先生は理解してくれません。「なんで描けないの?」「思い出すことくらいできるでしょ」と誰でもできることという前提で、言葉を投げかけます。

先生や周りの生徒も頭の中になにかを思い出す、イメージするなんてことはできて当たり前。

しかし、Bさんはできないのです。

自分と周りとのズレに困惑したという経験です。

仕事で理解されず休職

大人になって仕事をするうえで、「イメージすることができない」ということで支障をきたしてしまったケースもあります。

Cさんの例です。

会議で取り扱っている商品の完成図や、それを置く売り場の全体像まで、他の社員たちは次々とアイディアを出していきます。イメージが、みなの頭の中に次々と浮かんできているのです。

しかし議論が交わされる中、Cさんは話についていけません。

Cさんは頭の中に完成図をイメージするということができないからです。

決して怠けているわけでもないのに、なぜ会議に積極的に参加しないのか、発言しないのかと咎められ、Cさんは休職することになりました。

会話している二人と、クエスチョンマークがでている人

アファンタジアの人に向いている職業

アファンタジアの特性である「イメージすることができない」というのは、さきほど述べたような、会議で想像によるアイディアを求められるような職業だと不向きです。


イメージすることよりも、論理的な思考、計算力、客観的な事実の分析などを活かせる仕事が向いています。

  • 事務・経理
  • 法律関係
  • プログラマー
  • 研究、データ分析

これらの仕事が向いていると言われています。
映像を思い浮かべる代わりに、脳の働きが論理的、抽象的な思考に向けられやすいからです。

さきほど述べたCさんも、復職した後はイメージすることより論理的な思考や計算力などが必要とされる部署に異動。
するとそこでは大いに活躍することができたそうです。

アファンタジアの研究は進んできている

年々、アファンタジアに関する研究は世界的にも進められています。

アファンタジアについてわかっていること

  • アファンタジアは生まれつき持った特性であることが多い
  • 視覚以外の聴覚、味覚、触覚、他の感覚についてもイメージが浮かばない人がいる
  • 20~30歳代に多い
  • 40~70歳代ではアファンタジアのタイプの違いがない

などが現在までわかってきていることです。

しかし、アファンタジアだと明確に判定する基準や、そのメカニズムはまだわかっておらず、今後も研究、調査が行われていく分野とされています。

まとめ

今回はアファンタジアについてお伝えしました。

イメージすることができないという新しい概念であり、まだ多くの人に知られていない特性です。

アファンタジアかどうかは気付きにくいので、「どうして自分はできないんだろう」と悩んでいる人はたくさんいるかもしれません。

アファンタジアがもっと広く認知されるようになり、これまで自分の欠点だと思っていたことが「実はそうじゃなかったんだ!」と気づけたら、とても楽になるのではないかと思います。

アファンタジアという特性が多くの人に知られていくことを願います。

今回の記事が少しでもそのお役に立てれば幸いです。

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